ひとゆるみレポート 02 6浪時代に学んだ、勉強よりも大切なこと。

佐藤圭さん
横浜市立大学 国際総合科学部。高校卒業後大学に現役合格をするも、経済的理由で断念。6年間をかけてアルバイトと受験勉強をし、25歳で大学に入学。将来の目標は、高校の英語教師になり情熱をもって子どもたちに希望を伝えること。

お金を払ってでも、やりたい仕事。

教師を目指しています。人生に絶望する必要なんてない。そう教えてくれた先生のようになりたいのです。中学生までは、大人が嫌いでした。身近にいる大人が先生だったのに、授業を楽しくやっていない。仕事をしている姿が輝いて見えなかったのです。
そんな自分に希望を与えてくださったのが、高校で出会った英語の先生でした。いつも楽しそうに授業をしていて、しかもわかりやすい。将来に絶望していた時に相談に乗ってくれて、生徒対先生というより、人間対人間としていつも真剣に向き合ってくれる方でした。自分も教師になって、子どもたちに生きる情熱を伝えられるようになりたいと思いました。

イギリスで、「やりなおせない」は思い込みだと知った。

高3の冬、志望大学に合格。しかし、経済的な理由から入学できませんでした。入学資金を貯めるため、週7日ペースでバイトを開始。1人暮らしをしていることもあり目標金額になかなか達せず、焦る日々。そして、学力だけでは大学に入れない現実。4浪目、半ば諦めかけていた時、たまたま格安でイギリスの語学学校に行けるプランを見つけ渡欧しました。
そこの語学学校にはいろんな国の人がいて、歳も私より上の人がたくさんいました。22歳を超えてもなお、浪人をしていた自分に引け目を感じていたのですが、年齢なんて関係ないんだなと。そもそも、ここで諦めてしまったら、子どもたちに諦めるな、なんて言えませんし(笑)。よし、もう一度。そう思って受験勉強を再開。6浪目の2014年、ついに国公立の大学に入学できました。

勉強を教えるだけが、先生の仕事じゃない。

周囲は今、就職活動一色です。私も、いくつかの企業説明会に参加しました。ただ、やっぱり自分は、会社に利益を残すことよりも人の未来に関わっていくことで社会に貢献したいと、改めて気付かされました。そもそも教えることが大好きだし、教師はお金を払ってでもやりたい仕事です。
楽しく教えることはもちろん、心のケアができる先生になりたいです。思春期は感情が不安定になり、相談できずにいる子がたくさんいます。自分も、唯一相談できたのが先生でした。勉強を教えるだけが先生の仕事じゃない。偏差値よりも、「いいね」の数よりも、大切なことがあるって伝えていきたいです。
念願の教師に向けて突っ走っている今、辛いと思うことはほとんどありません。勉強をしている時でさえ楽しいです。ただ、休息も大事。そう自分に言い聞かせて、意識的に肩の力を抜くようにしています。この春からは、いよいよ母校での教育実習。頑張りどきは、これからですね。

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