ひとゆるみレポート 08 誰もが笑顔になれるように、誰よりも高く舞う。

大吉康太さん
早稲田大学 社会科学部の3年生。早稲田大学男子チアリーディングチーム「SHOCKERS」のリーダーを務める。「SHOCKERS」は世界初の男子だけのチアリーディングチーム。小説、映画、マンガのモデルチームにもなっている。

元気を届けるようで、元気を貰っている。

今年2月にアトランタで開催された世界大会のエキシビジョンでは、痛恨のミスをしてしまったんです。でも、チアリーディングの本場アメリカというだけあって、1,000人ほどのお客さんが掛け声で盛り上げてくれて、すごく楽しかったです。それだけに、こんなにもたくさんの人に盛り上げてもらったのに、完璧な演技を届けられなかったことが悔しくて、絶対次に繋げたいと思いました。
「次こそは!」……その気持ちで帰国後に臨んだ8月の単独公演では、大成功を収めました。舞台の幕が上がった瞬間、暗闇のなかに浮かび上がる数々のサイリウムの光が視界一面に広がったのです。幻想的な光景に、鳥肌が立ちました。その時は難易度が高い技ばかりで演技を構成したのですが、全ての技を決めることができました。きっと、幕が上がったあの瞬間にお客さんから元気をもらえたからだと思います。

受験勉強の支えだった男子チア。

チアリーディングを始めたのは大学からです。高校までは野球一筋でした。甲子園への夢が破れ、受験生として過ごした夏。息抜きに志望校であった早稲田大学に関連した動画を見ていた時です。初めて男子チアの演技を見ました。なんとなく見ていたのに、動画から伝わる迫力に感動しちゃって……。それからは、勉強の合間に「SHOCKERS」の動画をときどき観るようになり、いつしかこのチームに入りたいと思うようになっていました。
野球に一区切りをつけた後だったので、仲間と一緒に熱くなれるものがほしかったんだと思います。チアリーディングって、バック転などの派手な技に目がいきがちですが、演技をしていて一番楽しいのは仲間とひとつになれる瞬間なんです。仲間の足を持ち上げ、飛び上がらせる技では、支えている側はアイコンタクトで息を合わせます。息がぴったり合うと、驚くほど高く、きれいに飛び上がるんです。その瞬間が、とても気持ちいいんですよ。

憧れの人から、超えたい人へ。

僕は去年の11月に「SHOCKERS」のチームリーダーになりました。前任は、受験勉強の合間に観た動画で憧れていた人でした。その先輩とは1年間同じチームでチアをやらせてもらって、今もなお憧れの存在です。今はまだ、その先輩のようにチームをひっぱれているかはわかりません。50人程のチームをまとめていると、悩むことも、行き詰まることもありますが、そんなときは、カフェオーレで一息ついて気持ちをリセットしています。
目標は、歴代最強のチームをひっぱるリーダーになること。今年の10月公演が、自分たちの世代にとっては最後の公演。初めて男子チアを見た時のあの感動を、今度は僕らが見ている人に与えたい。歴代の先輩たちも招待して、多くの人に感動してもらえるような最高の演技を披露したいですね。

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