ひとゆるみレポート 06 あなたの週末の選択肢に、観劇が入るとうれしいなぁ。

林洋平さん
職業、「演劇人」。舞台演出、若手俳優の育成、企業研修、専門学校の講師、広告や雑誌編集およびディレクションなど、演劇経験を活かした活動は多岐に渡る。今夏予定されている舞台の総合演出として、多忙な日々を過ごしている。

日本に根付かせたい文化があります。

10代から20代は舞台俳優として、今は演出などの裏方として、ずっと演劇に関わってきました。10代の頃から思っていることがあるんです。演劇をもっと日本の文化に根づかせられたらなぁと。
ヨーロッパでは、演劇は映画と同じくらい暮らしに密着しているんです。俳優も医師と同じくらい尊敬される職業なんですよ。日本にも素晴らしい舞台俳優がいて、観た人の世界を広げたり、人生に影響を与えたりする舞台がたくさんあります。だから、一人でも多くの方に演劇の良さを知ってもらいたい。そして、観劇した舞台が誰かの人生のプラスになったら、こんなに嬉しいことはありません。

演劇と企業研修。

「演劇人」としての活動は、演出など演劇に直接関係あるものだけではありません。
例えば、企業向け研修。舞台俳優って、全身の表現力を鍛えているので、コミュニケーション力の高い人が多いんですね。”演劇メソッド”を通して、企業の方々にコミュニケーション力を高めるための研修をしています。また、専門学校で講師もしています。テーマパークなどの接客では表現力が求められるので、表現力やコミュニケーション力を高める方法を教えています。
他にも、雑誌や広告などのディレクター職をやっています。一見、演劇とは全く関係ないようにも思えますが、”表現をする”ということは共通しているんですよね。
今まで演劇に興味のなかった人が、私の研修や授業で演劇に興味をもってくれ、実際に劇場に足を運んでくれたときは、やっぱりうれしいです。

本気を、全力で肯定してくれる居場所。

時々、「なぜそこまで演劇にこだわるの?」と聞かれることがあります。素晴らしい演芸だし、演劇を軸に生きてきたからというのはあるのですが、実はまだうまく言葉にできないんです。
ただ、必死になることが「かっこ悪い」と感じたりする思春期のときに飛び込んだ俳優養成所には、他人の目を気にせず一生懸命な同世代ばかりいました。そのとき、「好きなことを本気で追いかけていいんだ」と、自分の居場所を見つけた感じがしたんです。
今は俳優ではありませんが、演劇は自分の人生になくてはならないものですし、これからも本気で追いかけたい。でも、時には甘いもので休憩することも大事です。そういう意味で、養成所時代からよく飲んでいたカフェオーレは、僕にとってなくてはならないもののひとつなのかもしれません。

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