ひとゆるみレポート 11 世界が注目するサッカー選手を、日本の大学から生み出せ。

渡辺夏彦さん
サッカー元U-18日本代表。現在は大学で選手として活動しながら、大学サッカーの活性化を目的とした一般社団法人ユニサカを創立し、代表理事に就任しました。

サッカーの力で、人を幸せに。

大震災のあった2011年、なでしこJAPANのワールドカップ優勝に感動して自殺を踏みとどまった方がいるというエピソードを耳にしました。その時、スポーツには人の心を動かす力があると感じたんです。その頃から、自分にできることはなんだろうと考え始めました。
その一方で、高校の時U-18日本代表として世界と戦うなかで感じた「海外との差」。まだまだ日本は強くなれる。環境が整っていない大学サッカーを強くすれば日本サッカー界のレベルが底上げされ、世界に通用する日本代表が生まれるのではないか。大学の設備や環境を整えるためには資金が必要で、その資金を集めるためにはまずは大学サッカーの人気を上げる必要がある。それが、一般社団法人ユニサカを立ち上げた理由です。

早慶戦で等々力競技場を満席にしたい!

ユニサカとしての最初の活動は、等々力競技場を観客で満席にするプロジェクト「早慶クラシコ」です。このプロジェクトを応援してくれる方と資金を集めるためにクラウドファンディングに挑戦。締め切り1分前とギリギリではあったものの、見事目標金額100万円を達成しました。
早慶戦当日は、慶應大学出身のモデル・森星さん、早稲田大学現役生モデルのYugoさんがデザインしたオリジナルグッズを販売したり、AbemaTVで試合の生中継、ハーフタイムには歌手のAIさんによるライブを開催。満席2万6000人に対して動員数は1万3880人でしたが、これまでの大学サッカーにはなかった新しい実績を残すことができました。

練習以外の時間を、どう生きるか。

もちろん、僕自身もサッカーを続けています。サッカーの平均的な練習時間って、1日だいたい2時間しかないんです。大学の授業とサッカーの練習以外の時間を、遊んで過ごすのかユニサカとして活動するのか、それだけです。サッカー選手であるまえに、一人前の人として誇れる生き方をしたいから両立が大変だとは思わないです。
今後のユニサカの活動ですが、大学スポーツ自体がもっと自由に活動できるように、日本版NCAA(全米大学協会)の設立に注力していきます。その第一ステップとして、先日全国大学体育連合とのシンポジウムを開催しました。
いずれはスペインのトップリーグでプレーしたいと思っています。授業にサッカーに、ユニサカの活動にと充実した日々。でも、シンポジウムなどで発表する資料作成はまだ慣れないので、一息つくときに飲むカフェオーレが僕にとってのハーフタイムです。

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