ひとゆるみレポート 09 アルティメットから得たのは、挑戦を楽しむ人生でした。

清水亮介さん
フライングディスク競技「アルティメット」の日本代表経験者であり、UDS株式会社の経営企画部 採用担当マネージャー。多忙な仕事と両立しながら2017年8月には所属クラブチームのアジアNo.1に貢献。

”究極”という名のスポーツ。

アルティメットという競技を知っていますか? 7人ずつ敵と味方に別れてフライングディスク(フリスビー)をパスでつなぎ、相手陣地の奥にあるエンドゾーンでキャッチすると得点が入る競技です。いくつかあるフライングディスク競技のなかでも、走る・投げる・跳ぶ全ての能力が要求されるため、“究極”と名付けられています。
世界中に競技者がいて、2028年のオリンピック競技候補にもなっているんですよ。とはいえ、まだまだマイナースポーツ。マイナースポーツゆえに、得られるチャンス=世界に挑むチャンスがあります。そんな思いで大学の時に始めて、学生時代は全国大会で2位に。どうせやるならと、日本代表を見据え、社会人になったあとも競技を続け、世界一のクラブチームを決める世界大会に出場しました。

日本代表に。でも、選手じゃなかった。

「日本代表になる」、自信をもって挑んだ2012年の日本代表選考。結果は最終選考で落選……。男31歳にして大泣きしましたね(笑)。ただ、選手ではなくコーチとして帯同した世界大会での経験が評価され、アルティメット協会から「U-23日本代表監督をやらないか」と声をかけてもらったんです。嬉しかったし、光栄ではあったものの、まだ現役選手というプライドもあり最初は断るつもりでした。
ちょうどその頃仕事では、当時所属していた会社の人材採用を一手に任され、全国を飛び回って楽しい時期でもありました。仕事か日本代表監督か。監督とはいえ、日の丸を背負うのですから片手間ではできません。そこで当時の上司に相談したら、まさかの「絶対に受けろ」との回答。「二兎を追って二兎を得ろ」のメッセージをいただいたのです。このひと押しで腹を括りました。
平日は企業の人事、週末はアルティメット日本代表監督。二足のわらじ生活の1年間は多忙とプレッシャーで命を削られた気分でしたが、U-23日本代表は世界大会で銅メダルを勝ち獲ることができました。

両立は意識しない。両方、全力で。

今も選手としてアルティメットは継続中です。2017年の8月に所属クラブチームの選手として出場したアジア・オセアニア大会では、優勝カップを手にしました。仕事は2年前に「まちづくり」をコンセプトにホテルや飲食店などの事業企画や建築設計、店舗運営を展開するUDS株式会社に転職して、人材採用マネージャーをやっています。地域活性につながるビジネスはやりがいがありますし、経営視点から組織マネジメントを考えることも増え、仕事もますますおもしろくなってきました。
ときどき「両立は大変じゃない?」と聞かれますが、メリハリがついて私にはいいバランスになっています。うまく両立しようなんて思わず全てに全力投球で楽しむ。意識的にほっと一息つくことはあまりないですが、仕事や練習の合間にカフェオーレを飲むときが唯一の息抜きになっています。

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